おもしろ水族館 ver.01

キラキラ魚

何ともきらびやかな、海の大スター。陽光が海中に降り注げば、この時から「キラキラ魚」のショー・タイム。目にもまばゆいキラキラな光を放ちます。そして華麗な音楽と、モンロー・ウォーク。ウロコがスパンコールのように美しい「キラキラ魚」のオン・ステージです。でもくれぐれもこの魚の取扱いには気をつけて。なんてったって大スター。プライドが高いので、下手な扱いはできません。

バーバリーフィッシュ

英国近海に分布。おしゃれで気品が高く紳士的、トラディショナルな魚です。「おじさんになったらあんな魚になりたい」と、稚魚から羨望の眼差しで見られることもしばしば。でも時折、上から下まで全てチェック模様の服でかためてしまい、若干ヒカレることも。どうやらオシャレの裏には、奥さんの陰もちらほら見えかくれしますね。泳ぐ姿がとっても優雅で、午後のミルクティーとともに愛されています。

魚ッチ

とにもかくにも時間にきっちりした魚です。ちょっとの遅刻、少しの時間のズレも許しません。あまりにも規則正しい生活をしているので、飼い主がえさの時間を間違ったりすると、すぐに死んでしまいます。だからこの魚を飼育する時は要注意です。なんとも面倒なやつですね…魚ッチを目覚まし代わりにするのは、ちょっと覚悟が必要です。なぜなら尾ビレを激しく振って、寝顔に水をかけるからです。おかげでパッと目が覚めますけど。

水玉フィッシュ

ウロコが水玉状になっている、プリティーなお魚です。水中にあぶくができると、そこに身を隠す習性があります。とっても臆病なブリッ子ちゃんフィッシュで、舌っ足らずなしゃべり方が特長。少しおっちょこちょいで、あぶくに流され、すぐに水面に浮いてしまいます。この模様を見ると、夏の暑い日の冷蔵庫に入ったカルピスを思い出す方も多いのでは…。まさにスウィートな初恋の味…って感じがしますね。


もく魚

別名「海のお坊さん」と言われているように、海の仲間たちが死ぬと、真っ先に駆け付けてきて、弔ってくれます。ヒレがバチになっており、お経を読みながらポクポク叩く、ユニークな魚です。人間が魚を食べている時に、ポクポクとやられると、いたたまれなくなって、食欲がなくなりそうです。普段は「チーン」と音を鳴らす「チンぎょ」と行動します。本当に法事の時に現れたら、プッと笑いそうですね。

ぎょギョッ

とっても臆病な魚です。いつもオドオドしており、ちょっとした物音などでも、とんでもなくビックリするんですよ。だから飼育するときは、なるべく静かにしてあげて下さい。ビックリして水槽から飛び出してしまうかもしれません。でもこの臆病さが、慎重さなんで、外敵に食べられることもなく、けっこう長生きするんですよね。大体は岩場の影やら水草の裏などに、身をひそめるように暮らしています。

りっタイ

鯛の仲間。四角い体でも心は丸い魚です。普段は海底に沈んで静かに暮らしていますが、津波などがおこると、みんなで力を合わせて防波堤になってくれる、ありがたい魚です。体全体が水圧に抵抗するので、極めて泳ぎのスピードは遅いんです。でもカクカクしているので、あまりおいしそうじゃなく、天敵に食べられることも少ないようです。別名「海のぬり壁」とも言われています。考え方もちょっと堅そうですね。

レコードフィッシュ

常にいい音楽を聴かせてくれる、海のエンターテイナーです。他の魚たちは、このレコードフィッシュによって励まされたり、癒されたりしているのです。最近は新種のCDフィッシュなどが台頭しているため、絶滅保護指定種として、貴重さを増しています。どれだけクリアな声を出す魚があらわれても、オールドフアンは、絶対にこっちの方が好き!という根強い人気のある魚です。ハリセンボンと仲良しです。


テブクロウオ

手袋の形をしたテブクロウオは、とっても器用。目的に合わせて色んな形に変化します。もし海の中で、猫の手も借りたいくらいに忙しくなったら、ぜひこのテブクロウオを探して下さい。でも要注意。あまりこの魚を怒らせると、ビンタされますよ。ひどい時は拳固をくらうこともありますので。いつも口が開いてるので、頭が悪そうに見えますが、手話ができるのでお話ができます。だから頭がいいんですよ。

おもウツボ

ウツボの仲間です。とても単純な性格で、何でも思う通りに動いてくれます。特に「テブクロウオ」と仲良しですが、いつも「あっち向いてホイ!」で負けてしまうので、よくからかわれます。本当は実は、どう猛な性格なのに、テブクロウオに、「君は優しいんだよ」と教え込まれ、優しい性格になっています。まさに思うツボです。いつかテブクロウオに「あっち向いてホイ!」で勝つことが夢なんです。

ピースがに

いうまでもなく、とてもひょうきんでお調子者(C調)、大阪でいう「いちびり」なピースがに。落ち込んでいると、ピースがにが寄ってきて「ピース、ピース」というので、元気づけられる魚もいれば、うっとうしがられることもあります。よくテブクロウオとじゃんけんをして遊びますが、いつもグーを出されて負けてしまいます。ここにもテブクロウオに騙されるおバカさんがいました。

コロネ貝

渦巻き状のやわらかい殻をもった貝。殻の中にはチョコが入っていて、あま〜い味がします。だから天敵が多く、身を守るための独自の防衛手段をもっています。それは、この貝を食べようとギュッとつかまえると、渦巻きの頂点からピュッとチョコを放出し、まわりを汚してその隙に逃げる手段です。その隙に逃げる、といってもスピードが遅いので、ゆ〜っくりゆ〜っくりなんですけども。


ハナガラフィッシュ

南国を象徴するようなお魚です。とても派手好きで行動派。分厚めのお化粧と、目にもまばゆい花柄のウロコで、南の海を悠然と泳いでいます。おしゃべりが始まると、もう止まりません。群れで泳いでいると、リゾート施設(日帰り温泉施設)のムームーのように華やかである反面、もの凄いおしゃべりが嵐のように通り過ぎます。美しい花は儚いものですが、このハナガラフィッシュの生命力は、ビックリするものがあるんですよ。

うすアジ

とても目撃情報の少ない魚です。それもそのはず、あまりにも存在感がなさすぎる。目立つことが大嫌いで、とっても控えめな性格なんです。実はここに紹介されるのも嫌だったそうで、高級料理を食べさせるという条件で、ようやく出演OKをいただきました。体がスケスケなんで、食べた物が外から見えてしまうから、安っぽいエサだったら恥ずかしいんですって。うすアジなのに、ちょっぴり見栄っ張りなんですよ。

ヒョウガラウオ

とてもワイルドな魅力の持ち主のヒョウガラウオ。その名のとおりウロコがヒョウ柄になっています。しなやかで気が強く、近寄りがたい威圧感さえ漂い、うかつに触ると噛みつかれな危険なムードも。でも、ついつい手を出してしまうんですよね。美味しい魚には毒がある、そんな表現がピッタリです。ヒョウガラだからと、決して足が早いわけではありません。でも手が早い可能性はありますので要注意です。

アミーゴクラゲ

メキシコ近海に生息するアミーゴくらげは、とっても陽気。いつもギター片手に、唄を歌いながらフワフワと水面を漂っています。ちょっと美人魚が通り過ぎると、すぐに「ヘイ!セリョリータ!」と近寄って来ます。大変なおしゃべり好きで、「おいそこのセニョール、何をやっちょ〜る」「もっと楽しムーチョ」など、舌を巻きながら、タコスをほおばって、けたたましくしゃべります。テキーラのニオイがプンプンです。


とのさまアンコウ

海の中でも最も偉そうな魚の1種。ちょうちんアンコウと間違われがちですが、ちょうちんじゃなくて、ちょんまげが特長です。胸ヒレも「天晴」と書かれた扇子状になっています。人が溺れている時にも、さりげに近寄ってきて「くるしゅうない」というもんですから、ちょっとイラッときます。自分でエサを捕ることはなく、おおむね小魚たちの貢ぎ物で生きています。

でも「アイ〜ン」っていう鳴き声なんですよ。

カヅオ

性格はまじめで内気。ちょっぴり面白みに欠けるカヅオは、カツオ科の長男です。依頼した仕事はほぼ完ぺきにこなしてくれる反面、意外性がなく、出世も今のところ係長止まり。時折イメージチェンジを図って、人気者になろうとするのですが、ついつい駄洒落とかになってしまい、みんな引いてしまいます。一生懸命が空回りしちゃう…ありのままの自分で生きればいいのにね…頑張れ、カヅオ。

めでたイカ

メリー・クリスマス!なんてパーティー気分の時や、おめでたい時。海の中のそんな時に必ず現れるのが、めでたイカです。まるでクラッカーのような姿カタチが特長。バーン!と大きな音を立ててお祝し、盛り上げてくれます。冬のシーズン、(イカだけど)引っ張りだこ。盛り上げるだけ盛り上げて、あとは海を散らかしてしまうので、掃除が大変なんですよ。あと、声が大きいからビックリします。

ゼリービーンズフィッシュ

赤・青・黄色のとてもカラフルな小魚たちはゼリービーンズ・フィッシュです。とてもキュートで、ペットとしても大人気。色とりどりにお部屋を演出してくれます。別名、海のちびっ子軍団とも呼ばれ、いつも群れを成して泳いでいます。子供たちに大人気の魚です。みんな揃ったら、小さな子どもの遠足のようにキャッキャと賑やかですけども、お家で飼うとうっとうしいかもしれませんね。


パスタフィッシュ

チャオ!と声をかけながら近寄ってくる色男のお魚は、イタリアの地中海沿岸に分布するパスタフィッシュです。世界中で愛されている魚で、この他にも色々なカタチの種類がいます。陽気な海のシェフで、カンツォーネを歌いながら茹であげるパスタは超一流。でも女性にはからっきし弱い所が玉に傷。さすがイタリアの伊達男で、地中海の新鮮な魚介類なら誰とでも相性ピッタンコなんです。オリーブなんかとも恋するんですよ…。

カニかぶと

日本の近海に分布するかにカブトは、とてつもなく堅い殻が特長で、サメに襲われてもへっちゃら。海の不良たちも一目置く存在です。海の縄張り争いのたびに引っ張り出されるのですが「いざ前進!」と言われても、横にしか動けないのが欠点です。仲間のヨロイエビも、後ろにしか進めないので、この2尾、意外と役にたちません。また本当の難点は体が重たすぎて、すぐに沈んでしまうことなんです。

エフワンザメ

モナコ近海や、日本の鈴鹿の近くなど、世界中に分布します。ご覧のとおり、彼に見つかったらもう大変。マッハ級のスピードで追いかけてくる、海のハンターです。ただ、勢い余って岩にぶつかったり、自分のスピードに陶酔し「獲物をつかまえる」という本来の目的を見失って通りすぎたり、案外うまく逃げれます。海のレースはすごいですよ!高足ガニのレースクィーンや、ヘルメットサザエなど、そりゃあもう華やかなもんです。

センスマンボウ

体を開いたり閉じたりしながら、じつにユニークな泳ぎを見せてくれるのがセンスマンボウ。「天晴れ」「よ!日本一」「天下泰平」など色々な種類がいます。日本ではこの魚が訪れると、夏の到来といわれ、金魚と並んで風物詩となっています。基本的には群れを作らず単独で行動するのですが、「くるしゅうない」と、とのさまアンコウに捕まることがあります。縁起物として正月の飾りにもされます。


ほうきダコ

別名、海の掃除人といわれるように、ユーモラスな姿とは裏腹にとってもキレイ好き。海底の掃除をしてくれます。でも、要注意。掃除の最中に少しでもパニックに陥れると、すぐにスミを吐き出すので、瞬く間に汚れてしまいます。大掃除が必要な今のシーズン、その名の通りひっぱりダコになる、人気者のタコです。足のほうきでごみを掃くのはもちろん、吸盤でチリを吸い取ったりもできるんですよ。

フライパンえい

大きな体が特徴のフライパンえい。ヒラメやアサリなどは、こいつが近づいてくるとソテーにされてしまうのではないか、といつも逃げ回ります。また魚の夫婦ゲンカにも欠かせない存在でもあります。体は硬く重く、海面には上がれないし、泳ぎ方もしなやかさのカケラもありません。でもごちそう作りに欠かせない存在。「鵜飼いの鵜」のように泳がせておいて、その収穫をゴチになる「フライパンえい漁」も盛んです。

ゆカイ

いないいない…バアー!のギャグで海の中の寄席で大人気なのが、夫婦漫才の「ゆカイ」です。面白い顔でとってもひょうきんな夫婦です。海の世界のお正月番組ではひっぱりだこ。寄席の舞台以外では口を閉じた貝ですが、パッと開くと思わずプッと笑ってしまいます。他の魚たちを愉快な気持ちにさせてくれる、人気者の貝です。貝がふさがったらハート型なんですよ。ひょっとことおかめ、意外にラブラブでしょ?

タップだこ

柔軟な体と、8本の足で繰り広げられるタップダンスは、見事。海の世界の指折りのエンターテイナーです。暗やみでは足の吸盤が光り、エレクトリックなダンスが見れます。3尾くらいでもリバーダンスなみの迫力あるダンスが展開されるのですが、何せ足が8本あるため、靴をはくのに時間がかかり、出番に遅れることもあります。帽子をとったらハゲツル坊主でがっかりしちゃいますから、プライベートは…。


ペン先スルメ

海の作家と呼ばれるペン先スルメは、とっても文化人(文化イカ?)。自分で吐いたスミを使って、堅い頭のペン先で小説を書いたり、軟らかい足を筆のように使って書道の作品を作ったり、実に芸達者です。一見スルメでおいしそうですが、頭の部分は堅く、よほど歯が丈夫でないと口に出来ません。ペン先スルメ氏の作品は、いいですよ。なにしろスルメであるゆえ、「噛めば噛むほど味がある」…。

ちょうエイ

大海原をひらひらと優雅に舞うのは、ちょうエイです。まるでチョウチョのような体が、ほんのりセレブ。優雅なクラシック音楽が聞こえてきそう。太平洋地方では、このちょうエイの出現が春の訪れを告げてくれます。海の魚たちの憧れでもあり、社交界にもひっぱりだこ。夜の蝶としても妖しいムードを醸し出します。一説によると、尻尾には毒があるらしいので、うかつに触ると大ケガすることになります。

ラッパヤドカリ

なんともにぎやかな音を奏でる、ラッパヤドカリ。大きな貝殻で高らかなファンファーレをとどろかせます。ミュージカルショーの他、兵隊の訓練などにも大活躍で、とても重宝がられています。気分によってはジャズを聴かせてくれることも。また、けたたましく朝の目覚ましとして活躍することもあります。ラッパヤドカリの音楽に合わせて、タップダンスだこや、キラキラウオがダンスするんです。海の「shall we dance?」です。

チュウきんぎょ

海の中もすっかり秩序がなくなってきました。最近とくに問題になってるのが路上駐車。ヤドカリなどが、貝殻を路上に停めて放置するんです。これを厳しく取り締まるのがチュウきんぎょです。5分以上放置しておくと、エビレッカー車で持って行かれます。海の中ではちょっぴりみんなに嫌われている、情け容赦ない魚です。海の取締ではチョークの代わりに、サンゴで作ったイカリを付けるんですよ。かっこいいでしょ?


ごはんザメ

小判鮫ではありません、ご飯ザメです。背中の部分にのせたたっぷりのご飯つぶで、大きな魚に引っ付いて移動します。海の世界の食いしん坊で、つかまったら鉄火丼やうに丼にされてしまいます。でもおっちょこちょいなので、すぐに油断して他の魚にご飯だけ食べられてしまいます。結果、いつも空腹。だから自分で泳げず、大きな魚に引っ付くのです。可哀想なんでもし出会ったら、お茶漬けにでもしてあげてください。

アンナイカ

もしスキューバダイビングなどで、海の中で道に迷ったら、このアンナイカを探しましょう。別名、海の案内人といわれるように、その矢印のような頭部と指で、方向を示してくれます。また海の中の一方通行などの規制や、お葬式の案内などでも活躍。大クジラさんなどは、カーナビの役目でこのイカを雇うこともあるんですよ。でも人生の案内は苦手で、逆に人生の迷子にされるかもしれませんよ。

クローバーフィッシュ

文字どおり、トランプのクローバーの形をした魚で、2枚の大きなヒレでもって蝶のように水中を舞います。泳ぐ姿は実に優雅。でも敵に追われると、スクリューのように回転しながら高速で逃げます。手品がとってもうまく、仲間にダイヤウオ、ハートウオ、スペードフィッシュがいます。これらが揃えば海のギャンブラーとなります。ですが、四葉でない分、そんなにツキもなく、鳴かず飛ばずの状態なんです。

ちくわウオ

文字どおり、ちくわの形をした魚です。水産加工の手間も省けます。せっかく食べたエサも、すぐに後ろに素通りしてしまうので、エサになる小魚たちも安心。でもこの魚、惚れやすいのですぐにキッスをしてきます。これがとにかく迷惑なんです。嫌がると口をとがらせスネるので始末におえません。でも缶ビールのお相手として、昔から人気は高い魚です。日本では縁起物(先が見通せるなど)として、好まれている魚です。


セーラーフィッシュ

海の世界の水兵さんであるセーラーフィッシュ。とても明るく、ハツラツとした泳ぎが自慢です。海の天敵からみんなを守ってくれる頼もしい存在で、子供達の憧れのまとです。でも実はその土地の港、港に女あり。青い唇は冷めたキッスの証。でも都会の港には女を作らないんですって。なぜなら汚れてしまうから。出航の際は未練を断ち切るクールなマドロスさんなんです。どっちにしてもモテモテ!

シャッツィ

いつもシャツ一枚で元気いっぱい!とても頭がよくて芸達者。海の上をはねたり、輪をくぐったりして大人気です。なんでこんなによく働くかというと…実は大食いなんですね。食費を稼ぐための努力は、日々怠りません。でもよく働くからお腹もすくんです。最近は自慢の赤いシャツもピチピチになり、ちょっと悩んでいるシャツィ君なのであります。この格好で激しいシャツィ・ショーをやるんですが、すぐに破れそうです。

チェッカー・フィッシュ

ウロコがチェック模様になっているチェッカー・フィッシュは、海の仲間たちの娯楽提供者です。時にはチェスの台になったり、時にはエフワンザメのレースを主催したり、大人気。80年代にはアイドルとして「ギザギザひれの子守唄」や「ルアーに傷心」、「Song  For UMI」がヒットし、一世を風靡したこともあります。性格も竹を割ったような魚で、何ごとにつけても白黒はっきりしているところがカッコイイのです。

ドラヤキ海ガメ

この姿を見ただけで思わずヨダレが…なんて方も多いのでは?そうです、実は海の世界の色男なんです。甘いマスクとスゥイートなロマンスが彼の持ち味。彼が泳いだ後ろには、甘いものに目がないメス魚たちが沢山おっかけて来ます。ただ甘い物好きなので…な体型のメス魚です。モテるといっても、本人にとってはビミョーなんですね。また、たま〜に甲羅干ししなければ、海の水に溶けてしまうのが弱点なのです。


パジャマカツオ

まるで日曜日のパパのように、ねぼけまなこのカツオです。縞模様がパジャマのようで、動きもとても鈍いのが特長。だいたいはゴロゴロと過ごしています。たま〜に、ほうきダコさんに掃かれたりしますが、それでも屈することなく、ゴロゴロします。背ビレが寝グセでピンピンはねることもあり、あまり見栄えのいいものじゃありません。あんまりゴロゴロしてたら「タタキ」にするゾ!!

ペン先ウオ

ある意味、この魚が最も強いのかもしれません。「ペンは剣よりも強し」です。口先の鋭さもさることながら、とても鋭い切り口で記事を書き立てる、海の記者です。フットワークがよく、事件のある所にはすぐさま飛んで行き、様々な悪事をスッパ抜きます。政界にたずさわる「とのさまアンコウ」などは彼のことを目の上のコブだとさえ言ってます。が、ペン先ウオは今日も正義のペンを走らせています。

かばんアンコウ

体に入るものなら、何でもかんでもバクバクと食べてしまう、食いしん坊アンコウです。一度口に入れると、すぐさま口のファスナーを閉じられます。体の模様によってはとても高級な種類もあり、憧れの存在になることさえあります。フランス産やイタリア産のものが人気があり、最近では体毛がいっぱい生えた「ファーあんこう」も大人気。ローマや大阪では、「かばんアンコウ」の「ひったくり漁」がさかんです。

ヒコーキウオ

7つの海を効率的に渡航したいのなら、このヒコーキウオが便利です。子供たちが憧れる魚で、ものすごいスピードが自慢。ライバルは飛び魚ですが、他の魚を乗せてくれるところが、彼の勝ちです。分布は世界各地ですが、昨年は名古屋沖、今年は神戸沖でも見ることができます。でもこの魚、とっても声が大きいので、騒音問題も深刻なんです。意外と小さいですよ。乗客はちりめんジャコさんくらいです。


ゾウリヒラメ

触覚が鼻緒のようになっているため、草履そっくりな形です。いつも海の底に貼り付いているために、すぐに踏んづけられてしまいます。草履に似ていますが、履いちゃダメです。ペチャンコになってしまいますよ。よくタコやイカ、高足ガニなどがこれを履こうとするのですが、うまくいきません。きっとみんな海に捨てられたビンのかけらで、足を切るのが嫌なんでしょう。でもゾウリ平目とて、同じことです。

くつしたウオ

海の中をゆらゆらと泳ぐくつしたウオ。天敵に襲われそうになると、刺激臭を残して足早に逃げます。このくつしたウオもゾウリ平目を履こうとしますが、近寄っただけで猛ダッシュで逃げられます。でも他の魚が嫌がる仕事を、いっしょうけんめい穴が開くまで頑張ってこなしてくれるので、本当はみんな感謝してるんです。どんなに臭くてもご主人様の足を守る、正義感いっぱいのお魚です。頑張れ!くつしたウオ!

サカナカリ

ヤドカリとは違って、こちらのサカナカリはサカナの口を住み家にしています。本人はいいとして、宿に選ばれた魚は大迷惑。アゴをはずしてしまう魚だっています。しかもその魚が食べようとするエサまで横取りしてしまう、ちょっぴりいやしい奴。でもとてもキレイ好きなんで、口の中をキレイにしてくれるんです。サカナカリの苦手なのは、牙の尖った魚と、口の小さな魚と、口臭のきついお魚さんです。

ハリサンボン

いくら怒って思いっきり威嚇しても、ハリが3本しか立たないハリサンボン。いつもトゲトゲがたくさん立つ「ハリ千本」に憧れてはいるのですが…。「頭の上に毛が3本」のオバQに似ていて、意外とみんなに可愛がられるんですよ。ちょっとからかってやってみて下さい。顔を真っ赤にしながら、ふくれっ面で、チョロンとハリを立てるユーモラスな姿がかえって笑いを誘います。


たらこ唇タラ

ご覧の通り、タラコくちびるが自慢のタラです。分厚い唇で顔はぶさいくだけど、情にもろくて温かい。そんな彼女は、酔うとキス魔に大変身。あたりかまわずキッスの嵐をまきちらします。この時期は唇が乾燥して、リップクリームが手放せません。仲間の明太子くちびるタラは、辛口トークがご自慢。歯に衣を着せない、気骨のジャーナリストとして活躍しています。

マッサあじ

海で泳ぎ疲れたら、このマッサあじを探すといいでしょう。何とも言えない絶妙な力加減で、凝った所をもみほぐしてくれます。合わせ技として、今話題の足ツボマッサージを「ふじつぼ」で、針治療を「ハリセンボン」で施してくれます。電気クラゲを使った低周波治療もOK。背中の曲がった海老などが、いつも行列を作って治療を待っています。ただタコやクラゲは肩が凝らないようで、必要ないそうなんですが。

フグ社長

社長の次にエライ「フグ社長」です。でっぷり太ってアブラギッシュ。なぜかいつも鼻息が荒く、汗をかいています。ちょっぴりみんなに嫌われている理由は、宴会となるとくだらない駄洒落で盛り上げようと、みんなをシラケさせてしまうからです。でも、会社で不祥事がおこると、いつも矢面に立たされ、ストレスは人一倍(フグ一倍?)唯一ほっとする一時は、毎晩ヒレ酒で晩酌する時間です。

キャンディ・フィッシュ

子どもたちに人気が高いキャンディ・フィッシュ。とってもカラフルで、口にすると甘〜いのが魅力です。左右のヒレをぴらぴらさせながら泳ぐ姿は、かなりユーモラス。群れをなして泳いでいると、夢の中に迷いこんだような錯覚におちいります。ポップでドリーミーなキャンディ・フィッシュ。要注意は湿気です。海の中で表皮をぬがせると、とたんにドロドロになるのでやめてあげてね。


なべアンコウ

なべアンコウは、深い海底でじっと口を開けて、小魚が入り込むのを待ってます。小魚が口に入ると、パクっ!そのままフタを閉じて、自ら海底火山のマグマで熱し、ぐつぐつと煮込んで鍋料理にして食べます。いえいえ、アンコウ鍋ではありません。あくまでもなべアンコウ。食べようとしても、堅くて食べれませんから。性格の軽いアルミなべアンコウ、どっしりとしたル・クルーゼなべアンコウなどがいます。

ウキワガメ

海面を優雅に泳いでいるのは、ウキワガメです。とても軽くて、時折人命救助にも役立ってくれます。その代わり、海に潜ろうとしても軽すぎて潜れず、フワフワと海面を漂っています。風の影響や潮の流れの影響を受けやすく、どこに行くのかは風まかせ。ゆらゆらと波に揺られながら、どこへ行くのか風来坊…そう、海の世界の寅さんとも呼ばれています。他にもサクラえび、タコ社長、蛾次郎いそぎんちゃくなど、たくさん出演。

がまぐちオコゼ

姿カタチは醜いけれど、みんな大好きながまぐちオコゼ。実はとっても賢い倹約家なのです。「サイフのヒモが堅い」とよく言いますが、そんな言葉がピッタリな守銭奴。節約、節約で貯めた小銭は、体いっぱいに膨らんでいます。これだけ貯めても、ダンナさまにはお金は回りません。なぜならがまぐちオコゼの夢は、高級ブランド財布に変身することなのですから。ウッシッシという笑い声が聞こえてきそうですね。

ふうせんフィッシュ

プクプクと太った魚ですが、普段はちょっと小さめ。天敵が来たり、怒ったりするとぷーっと膨らんで威嚇するのですが、軽くなりすぎてぷかぷかと水面まで浮いてしまいます。だからちっとも恐くありません。怒れば怒るほど潮の流れに流されてしまう…これを教訓に冷静にならなければ…他にも赤いふうせんフィッシュや黄色い風船フィッシュ、お祭りの時の柄入り風船フィッシュなどがいて、とっても華やかです。


ロケットフィッシュ

海の世界の憧れ、ロケットフィッシュ。海のアスリートとも言われ、とても速いスピードで泳ぎます。勢いあまって、海面から飛び出してしまうこともしばしば。海で泳いでいると、お尻がチクッとしたら、この魚かもしれません。もっともこの時は、突き刺さった人がロケットのように飛び上がります。ごくたまに、魚雷と間違われて迎撃されることも。出る杭は打たれるといいますが、ちょっと可哀想な魚です。

ないすガイ

別名、海のジゴロともいわれるほど、他のメスの生き物たちにモテモテ。常に最新流行の貝殻を冠っており、ファッションリーダーとしても大人気です。大体は夜行性なので夜のネオンテトラ街を闊歩していますが、一時期ホスト系ないすガイの強引な客引きが、海の社会問題になってました。昼行性のないすガイは、貝殻サーフボードをかついで浜辺によく出没するので、日に焼けて真っ黒。健康的です。

ネクタイカ

こちらも超モテモテの、ナイスミドル。実に渋みがあり、大人のムード満点です。まるでネクタイのファッション・ショーのような10本の足が特長です。近頃流行りの「ちょいワルおやじ」とは違った、正統派のダンディズムが漂います。一説によると、10本のネクタイは、10人の女の人(イカ)からプレゼントされたものとか…。それを全て着用する…つまり、全ての愛人を公平に扱うところが、モテル原因とも。

兵タイ

迷彩カラーのウロコ模様がりりしい鯛は、兵タイさんです。文字通り、海の平和を守り、最前線で活躍する勇ましいお魚です。昆布や海草の森に隠れ、敵の目をあざむいて不意をつく。訓練を重ねて身に付けたゲリラ戦略で、平和な海を保ちます。敵…?そうです、当面の敵は「ニンゲン」かも知れませんね。海を汚すと兵タイに攻撃されますよ。でもピンチになったら、海のレスキューとして大活躍してくれるでしょう。